オンライン英会話が安い理由は?講師・レッスンの質が悪いわけではない

2020年7月27日コラム

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オンライン英会話定額コースの料金は1レッスンあたり200円程度です。
ほんと安いですよね

たしかに安いけどその分
講師の質が悪かったりいい加減なレッスンだったりしないのかな?

以前からあった教室に通うタイプの英会話スクールだと週1回レッスンで月額15,000〜20,000円くらいはしましたよね。
それと比べるととんでもなく安いです。

講師の質・レッスン内容が心配になるかも知れません。

そうなんですよ。なんでそんなに安く出来るの?

結論から言います。
ポイントは次の3つです。

point●オンラインでのレッスンなので設備投資が少なくて済む
●日本と比べると物価の安い国を拠点としている
●定額コースで安さの恩恵を受けられるのは毎日しっかりとレッスンを受ける人だけ

具体的にはどういうことなのか、詳しく説明していきますのでこれからオンライン英会話を始めようと検討している方はぜひ参考になさってください。

昔はもっと安かった

2020年の今、オンライン英会話は1レッスンあたり200円程度で受けられます。

でも昔はもっと安かったんですよ。

DMMオンライン英会話ネイティブキャンプ の月額料金の推移を見てみましょう。

DMM英会話料金の推移

DMM英会話の料金は5年前は月額3,950円。1レッスンあたり132円程度です。

ネイティブキャンプ 料金の推移
ネイティブキャンプ 料金の推移

ネイティブキャンプ の料金はスタート時は月額4,950円。1レッスンあたり165円程度です。

どちらもだいぶ値上がりしてきているのがわかりますよね。

僕がDMMオンライン英会話を始めた2016年でも月額4,950円。1レッスンあたり165円程度でした。

これは教材の開発費、そして2019年から始まったSkype(スカイプ)に頼らない独自のビデオ通話システムの開発、スマホ・タブレット用のアプリ開発などへの設備投資を反映していると思います。

たしか色々と使いやすくなっているのはわかるんです。
DMM、ネイティブキャンプ に限らずどこもじょじょに値上げをしているが現状です。

でも、それでも1レッスン200円程度。まだまだ安いですよね。

な〜んで安いのか、解説していきましょう。

安かろう悪かろうでまともなサービスは出来ないのでは?という疑問

安い英会話レッスン=質が悪い?

レッスンの質を落としているので安く提供出来ているわけではないのです。
これについてはしっかりと説明していきますので読み進めていってください。

安いところはフィリピン人講師しか雇っていないのでは?

たしかに格安オンライン英会話の大手「レアジョブ」はほぼフィリピン人講師、「DMM英会話」も半分以上はフィリピン人講師です。

何故フィリピン人が英語講師として多く採用されるのか?
それは人件費が安く英語を公用語としている国民だからです。

第二母国語(Second language)

フィリピンの公用語はタガログ語と英語です。
フィリピン人にとって英語は第二母国語なのです。

第二母国語とはなにか?日本人からすると理解するのがちょっと難しいです。

第一外国語、第二外国語

日本人からすると英語は第一外国語。
第二外国語は大学で英語の他に学ぶ外国語としてフランス語、スペイン語、ポルトガル語などを選ぶときに使われる言葉です。
日本には第二母国語(Second language)などというものはありません。

第二母国語とはその国の母語の他に社会的に通用する言語です。
フィリピンでは第二母国語として日常生活で英語が使われています。誰でもが英語を理解出来、普通に使っています。

日本では日本語以外、日常的に通用する言語はありません。しかしフィリピンでは母国語であるタガログ語の他に英語が日常的に通用する第二母国語なのです。

第二母国語である英語をさらに大学で磨き上げた人材、そういう人がオンライン英会話の講師として採用されています。

オンライン英会話講師の採用条件は一流大学であらためて英語のスキルを磨いた人

アメリカやイギリスの企業がお客さま対応コールセンターをフィリピンに置き、現地の人を採用しているのは有名な話です。

それだけフィリピン人の英語スキルは信用されているのですね。
物価が違うので日本からすると安い人件費で雇えるのですが決してレベルが低いわけではないのです。

ネイティブとの違い

ネイティブ(英語が第一母語)の人との違いはどうなんでしょう。

フィリピン人特有の訛りのある人もいますし、ほとんどアメリカ人、イギリス人と発音が変わらない人もいます。

アメリカ人とイギリス人とじゃまるっきり発音が違うじゃないの!

そうですよね。アメリカ人、イギリス人、同じ英語でも発音が違います。その考え方でいうとフィリピン人の英語という感覚です。
「アメリカ人、イギリス人と発音が変わらない人」と言いましたが正確にはアメリカ英語の発音が完璧な人、イギリス英語の発音が完璧な人、そういう人もフィリピン人の中にはたくさんいるという意味です。

特にアメリカやイギリス企業のコールセンターで働いている人は厳しい研修を受けてネイティブと変わらない発音が出来ています。
講師選びのときは経歴で企業のコールセンター勤務の経験のある人を探すといいのです。

ネイティブ講師のレッスンを格安で受けたいならコチラ↓

ネイティブとの決定的な違いは発音よりもその時々の言いまわしだと思います。
表現としてアメリカではこういう言い方はしないとか、イギリスではこうだとか。

通訳などの職業を目指す人ならそういった違いは重要だと思いますが、これから英会話レッスンを始めようというあなたには必要な事でしょうか?

それより安くレッスンを受けられる事の方が大事ではないですか?

さあ、ここからは何故オンライン英会話が格安で提供できているかの解説をしていきます。

オンラインでのレッスンなので設備投資が少なくて済む

ユーザーが自宅からインターネットのオンライン回線を使って受けるオンライン英会話は設備投資にかかるお金が少なく済むのです。

場所がいらない

通うタイプの教室では当然ながらレッスンをするスペースが必要ですよね。

講師がいて生徒がいる教室のスペースを確保しなければいけません。

でもオンラインなら講師用にパソコン操作が出来るスペースがあればいいんです。広いオフィスは必要ありません。さらにユーザーは自宅でレッスンを受けるので教室はいらないんです。

極端に言うとオンライン英会話にかかわる講師・スタッフ・運営側、ユーザー、などの全員が自宅にいても成り立つシステム。(小規模のところでは実際にそうしているところもあります。)

自宅でレッスンをする講師もいる

オンライン英会話の講師はオフィスに出勤してレッスンをするか自宅でレッスンを行います。

講師が自宅でレッスンをする場合はインターネット回線の管理は講師自身で行う事になるため、さらに設備がかかりません。

この場合は講師の自宅の回線状態によっては通信が切れるなどのトラブルが予想出来ます。

割高のオンライン英会話では、すべての講師がネット回線の整ったオフィスで勤務しているのでこういう事はありません。

レッスンのとき明らかに自宅からインターネットにアクセスしているのが分かる講師は次から予約をしない方がいいかも知れません。

プロ意識が低くアルバイト感覚なので途中でお子さんが画面に入って来たりする事もあるそうです。

日本と比べると物価の安い国を拠点としている

格安オンライン英会話のほとんどはフィリピンを拠点にしてオフィスを構えている。

その理由は物価の違い。

平均的な物価は日本の1/3程度ですし、ものによっては1/10程度の場合もあります。

公共交通料金の値段

電車 初乗り約35〜69円
バス 約28円
タクシー 初乗り約92円

(1PHP[フィリピンペソ]=約2.3円のレートの場合)

日本と比べると物価の安いフィリピンでオフィスを構え、現地の講師を雇うので格安の料金が実現出来るのです。

オンライン英会話の運営で一番経費がかかるのは人件費

英語スクールで一番かかる経費は人件費。
日本で講師を雇っていたら格安オンライン英会話の運営は成り立たないです。

フィリピンの平均的な賃金は日本の1/5から1/10です。

平均的な物価より賃金の差は大きいわけですね。

平均的な月給

英語学校講師 約27,000円
病院看護師 約46,000円
公立学校教師 約35,000円

例えば英語講師の時給が日本では2,500円だとすると、25分のレッスンで約半分の1,250円。
その1/10だと125円になる

格安オンライン英会話が1レッスンあたり200円弱くらいでも採算がとれるのです。

月額料金 1レッスンあたりの値段
DMM英会話 6,480円(税込) 209円
レアジョブ 6,380円(税込) 205円

(2019年10月1日時点)

キモは定額コース、世間にだいぶ浸透してきたサブスクリプション

オンライン英会話が格安に運営出来る要因は定額料金(サブスクリプション)であるという事が大きいです。

これをずっと前からやっているのがスポーツジム。

定額の月額料金で毎日トレーニングし放題。1日に換算するとかなり安い料金に思える。

しかし実情は毎日トレーニングする人はあまりいないんですよ。

よほど気合いが入っていないと毎日欠かさずは無理でしょ。

となるとインストラクターの数はそれほど多くなくてもユーザー対応は出来てしまう。
つまり人件費は少なくて済む。

これと同じ事がオンライン英会話の毎日1レッスン定額コースにも言えるわけです。

毎日コース、みんなが毎日受けるわけではない

ユーザーが毎日レッスンを受けた場合、運営側は毎日講師にレッスン料を払わなくてはいけない。でも毎日プランに申し込んでいるのに休んでしまう人は少なくない。

定額コースなのに毎日受けないユーザーだと講師に払うレッスン料が少なくて済む。
休む人が多くなれば、それだけ講師に払うレッスン代が浮く、だから儲かる。

DMM英会話の会長の話ではまだまだ、しっかりとした利益は出ていないという。
これで毎日プランを申し込んでいる多くの人がしっかりと毎日レッスンを受けるようになったら大赤字になるだろう。

定額の毎日プランを申し込んでいてもしっかりと毎日レッスンを受けている人は全体の50%程度。
この仕組みがオンライン英会話を安く運営出来るわけです。

チケット制でも同じことが

チケット制のところでも同じような事が起きます。

チケット制は前払いで10回分などを販売するというパターン。
このチケットには使用期間があり、それを過ぎると使えなくなる。
全部の人がチケットを全部使い切るわけではないのでそこでも利益が出る。

結局、オンライン英会話はしっかり頑張る人だと安く使えるシステムと言えるのですよ。

なんか食べ放題、飲み放題プランと発想は似てるね。あれも元が取れるお客さんはフードファイター並みじゃないとだめらしいからね。

そうですね、同じく格安で有名なオンライン英会話「ネイティブキャンプ」 のレッスン受け放題プランも頑張っている人で1日2レッスン程度しか出来ないって聞きますよ。

ネイティブキャンプ は月額定額で1日に何回でもレッスンが受けられる。

 

話はそれるが、定額の動画配信サービスの内情はどうなっているんだろう。

お客さんが一回視聴するごとに配信会社がコンテンツの権利を持っている会社に対して、お金を払う契約になっていたら定額コースのお客さんみんなが毎日視聴したら、あまり儲からない。

だけど毎日必ず見るお客さんは少しだとしたらコンテンツの権利を持っている会社に対してあまりお金を払わなくてもいいから儲かるわけだね。

 

オンライン英会話が安い理由のまとめ

まとめ物価の安い国を拠点にして人件費の安い現地の人を雇う。
自宅にいる講師と自宅にいる生徒をオンラインで繋げてレッスンを受けさせる。
オフィスを構える場合でも大規模な物件はいらない。

などなど安い理由を説明してきましたが、一番大事な点をもう一度おさらいすると、定額コースは毎日レッスンを受ける人だけがこの恩恵を受けられると言う事。

オンライン英会話の会社からすると「定額コースに申し込んだのにしっかりと毎日レッスンを受ける人ばかりではない」という事からこれだけの値段で運営出来ているのです。

僕が言いたいのは1レッスンあたりいくらで判断しないで、自分のスケジュールと相談してコースを選んでください、と言う事です。

週2日ぐらいしか受けないなら定額コースはもったないです。
それだったら週2日レッスンのコース(月額4,000円程度)をやっているところもありますよ。

↓こちらの記事を参考にしてみて下さい。


以上「オンライン英会話が安い理由は?講師・レッスンの質が悪いわけではない」という記事でした。
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